TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とはなにか

国家間の交渉が妥結に至ったことで国内での報道が下火になったTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement = 環太平洋戦略的経済連携協定)ですが、協定の発効に向けて国内法の整備をはじめとする様々な準備はこれからが本番です。
その中でも注目しておきたいポイントとして、TPPを締結した外国の動向、特にこれから海外市場として期待されている新興国にはどのような影響があると考えられるでしょうか。

そもそもTPPとは、どのような協定なのでしょうか。
外務省・TPP政府対策本部から引用すると、

TPPは、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを構築するもの。
成長著しいアジア太平洋地域に大きなバリュー・チェーンを作り出すことにより、域内のヒト・モノ・資本・情報の往来が活発化し、この地域を世界で最も豊かな地域にすることに資する。
TPPとは|TPP政府対策本部

をはじめとして、「21世紀型の新たなルールの構築」と「中小・中堅企業、地域の発展に寄与」、「長期的な、戦略的意義」の3つを目標とする多国間でのEPA(Economic Partnership Agreement = 経済連携協定)のことを言います。

TPP加盟することで得られるメリットとはなんでしょうか。
TPPに加盟するもっとも大きなメリットとしては、加盟国間での貿易関税の撤廃をはじめとする域内の障壁を撤廃することで貿易を促進が期待できることがあげられます。
これに関連して、著作権や医薬品などの従来のEPAでは対象となりにくかった知的財産についても対象としたために、新しい貿易分野が誕生することが期待されています。

TPPの発効はどのような影響を及ぼすか

加盟国間での貿易を促進することを目的としているTPPですが、実際に締結・発効されるとどのような影響があると考えられているのでしょうか。

もっとも分かりやすく影響が現れると心配されているのが、農業と医療の2分野です。これらの分野は国ごとの独自性が強い分野であり、これまで高い関税を設定することで強固な障壁として機能させてきました。
しかしこれまで障壁として機能してきた関税がTPPの締結により撤廃を迫られることとなり、多分に非効率な部分が残っているこれらの分野の再編に繋がることが期待されています。

更にTPPで新たに取り入れられた領域として、著作権をはじめとする「知的財産」の分野があります。
この分野では、著作権の保護期間の70年への延長や著作権侵害に対する刑事罰の非親告罪化など、アメリカと足並みを揃えることを目的としています。

TPPの締結と主要国・新興国への影響

このように様々な貿易分野に影響が及ぶTPPですが、加盟国にどのような影響を及ぼすと考えられているのでしょうか。

TPPの対象となる貿易分野は21分野にも及び、これまでになく大規模かつ包括的なEPAとして締結されました。
そのため農業などのモノカルチャー(単一)経済となっている新興国から重工業や知的財産まで様々な分野で大きな利益を得ている主要国まで、加盟国には大きな影響があることは否定できません。

大きな影響が心配されるのが、経済規模の小さく産業の弱い新興諸国です。
特に数千品目にも及ぶ商品の関税撤廃が段階的に導入される農業分野では、日本のような主要国でも農業再編が危機として叫ばれるほどの大きなインパクトがあると言われています。
そのため第一次産業を経済の中心としている新興国への影響は、計り知れないものが予想されます。

おわりに

このようにメリットは大きいものの、それ以上のデメリットが心配されているのがTPP加盟です。
しかし既に国家間での加盟交渉は完了しているため、今後は国内法制定時にどれだけ有利な条件を引き出せるかが大きなポイントと言えるでしょう。