2015年10月に、長らく難航していたTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement = 環太平洋戦略的経済連携協定)が大筋合意に至り、成立・発行する見込みとなりました。
このTPPについては関係各所から賛否両論、経済を新たなステージに進めるために必要不可欠な協定だ、いやいや亡国への第一歩だと様々な意見が飛び交っていますが、実際のところはどのようなものなのでしょうか。

今回はTPPについてのあらましと、その内容について見てみましょう。

TPPの大筋合意までのあらまし

そもそもTPPとは、いきなり降って湧いた話ではなく、2006年にシンガポール、ブルネイ、チリとニュージーランドの4カ国の間で締結・発行されたP4協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement = 現行のTPPと区別するために「P4協定」と呼ばれる)を起源とします。
このP4協定により、加盟国間の関税の9割撤廃をはじめ、自由貿易に関わるほとんどの協定を一括して取りまとめたことに関心を持ったアメリカが、2010年に参加表明をしたことで環太平洋地域の各国がこぞって参加を表明したことで一躍注目される自由貿易協定となりました。2010年から2012年にかけて環太平洋地域の主要国が参加表明をしたことで、拡大交渉は何度となく空中分解の危機を迎えましたが、2011年末に大枠合意が成立し、2015年10月には協定内容で大枠合意に達し、各国での関連法の整備を待って実施・施行できるところまでこぎつけました。日本は2010年に民主党・菅直人政権のときに交渉参加を決定し、翌年の東日本大震災の影響により予定よりも送らせた2013年から実際の交渉に参加しています。

TPPのポイント

TPPとは環太平洋地域の各国間の経済の自由化を目的とした多角的なEPA(Economic Partnership Agreement = 経済連携協定)であり、2011年に公表された拡大交渉の大筋合意の中では、

  • 包括的な市場アクセス(関税その他の非関税障壁を撤廃)
  • 地域全域にまたがる協定(TPP参加国間の生産とサプライチェーンの発展を促進)
  • 分野横断的な貿易課題(TPPに以下を取り込みAPEC等での作業を発展させる)
    • 規制制度間の整合性:参加国間の貿易を継ぎ目のない効率的なものとする
    • 競争力及びビジネス円滑化:地域の経済統合と雇用を促進する
    • 中小企業:中小企業による国際的な取引の促進と貿易協定利用を支援
    • 開発:TPPの効果的な履行支援等により、参加国の経済発展上の優先課題が前進
  • 新たな貿易課題:革新的分野の製品・サービスの貿易・投資を促進し、競争的なビジネス環境を確保

の8つを「重要な特徴」としてあげています。
つまり協定に参加・加盟することで、環太平洋のTPP加盟各国での貿易の障害となる様々な規制や関税を撤廃することで、現在以上に自由貿易を拡大・発展させることを主目的としているのがTPPと言えます。

TPPの対象となる品目は基本的に自由貿易の対象となっているほぼ全ての商品・知的財産などであり、これらの品目の中にはアメリカ企業が特に大きいシェアを持つ農作物や著作物などの知的財産、医薬品が含まれていたため、各国の自主性をどこまで認めるかが議論の大きな対象となっていました。

おわりに

国家間の協定は大筋合意に至ったものの、各国内での関連法の整備・施行や、各企業の対応などは今後の課題の1つです。
特に国内での関連法の整備・施行については様々な意見があるため、その内容に注目する必要がありそうですが、大きな山を超えたことは確かです。